大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和61(ク)345 決定

主 文

本件を東京高等裁判所に移送する。

理 由

本件記録によれば、東京高等裁判所は、同裁判所昭和六〇年(ネ)第二八三二号

建物明渡請求控訴事件について、昭和六一年三月一一日、同事件の控訴人である申

立人の敗訴の判決を言い渡し、同判決正本は、同月二六日、申立人に送達されたと

ころ、申立人は、同年四月六日、上告状を、同月一一日、上告理由書をそれぞれ提

出したが、同裁判所が右上告理由書の提出のあつたことを看過して、上告状に上告

理由の記載がなく、又法定の期間内に上告理由書の提出がないとの理由のもとに、

民訴法三九九条一項二号に従い、頭書の上告却下決定をしたので、右申立人は、右

決定は違法であるとして、その取消を求めるために本件申立をしたものであること

が、明らかである。

よつて按ずるに、本件記録に編綴してある申立人作成の本件上告理由書は、法定

の期間内の昭和六一年四月一一日、東京高等裁判所に提出されたことが明らかであ

るから、十分な職権調査を尽くさないでされた前記上告却下決定は、右決定に影響

を及ぼすべき重要な事項につき判断を遺脱したものといわなければならない(最高

裁昭和四二年(ク)第二七〇号同四四年二月二七日第一小法廷決定・裁判集民事九

四号四八九頁、同昭和四五年(ク)第二二〇号同年九月三〇日第二小法廷決定・裁

判集民事一〇〇号五五九頁参照)。

本件申立は、前記決定に対し、右再審事由をもつて再審の申立をしたものと解す

べきところ、東京高等裁判所は、本件申立をもつて、前記決定に対し民訴法四一九

条ノ二の規定による特別抗告をしたものと速断し、右申立に対し何らの判断を示す

ことなく、本件を当裁判所に送付したものであるが、同法四二九条、四二二条一項

の規定によれば、再審は不服申立のある決定をした裁判所の専属管轄に属するので

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あるから、同法三〇条一項の定めるところに従い、本件を管轄裁判所である東京高

等裁判所に移送することとする。�

よって、裁判官全員の一致で、主文のとおり決定する。

昭和六二年七月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 島 敦

裁判官 伊 藤 正 己

裁判官 安 岡 滿 彦

裁判官 坂 上 壽 夫

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